地方ライタートツカマコです。

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「お兄ちゃんはお兄ちゃん」障害のある兄のために喋れないふりをし続けた長女の心の叫び。


ブログで触れられる機会があまりない、我が家の第二子である長女。

ブログをを読んでくださった方のとある感想を目にしました。

 

障害児の兄を持つきょうだい児の長女、母親は「わが家一のしっかり者」「友だちのような関係」と言ってますが違和感あるな…。典型的なよい子だけど3人の子どもの中で一番光があたってない印象。同じきょうだい児として胸が痛む。

 

あぁそうか、はたから見るとそう感じるのか…。

 

 

現在私生活ではわが家の兄妹一『普通の親子らしい親子関係』である長女。

(普通の基準が世間とちょっと違うかもしれませんが…)

そんな長女と私にはある共通点があるのです。

 

・3人兄妹の中間子長女であること

・幼児期、上の兄に障害(病気)があったこと

 

状況が似通えば性格も似るのか、長女の振る舞いは私の子供時代とよく似ているのです。

そのため、何かある度に彼女の痛みや辛さがダイレクトに伝わってくるのです。

 

「今きっとこうしてほしいんだろうな」

 

わかっていながらも、どうしても対応できないことは多々あります。

それでも長女はわがままを言ったり私を責めたりせず、複雑な思いを理解をしようとしてくれました。

幼少期の私のようでした。

 

現在はそんなことの積み重ねからお互いの苦悩を伝え合い理解しているがゆえ、親子というより友だち同士のように対等に支え合う、そんな親子関係であるのです。

 

そのような背景もあり今まであえて触れずにいましたが、きょうだい児の立ち位置に興味がある!という方が結構いらっしゃいましたので、この機会にわが家のきょうだい児についてお話します。

 

一番大変な時期に生まれた第二子長女

 

長男が誕生してからちょうど2年後。

我が家に待望の第二子である長女が誕生しました。

 

この時期、様々な検査の結果長男が発達障害ではないか?と言われたばかりでした。

喜びと絶望が同時にやってきて、しばらく気持ちが落ち着かない日々を送っていました。

 

それに加え産後姑の嫁いびりがエスカレート。

時を同じくして最愛の祖父を亡くし、乳児の長女を育てながら1ヶ月で5kgの激やせ。

半年後にはトータル20kg減少して、恐ろしくガリガリになってしまったのです。

おデブ人生を順調に歩んでいた自分が初めてまとも?に痩せた原因が心労とは…。

 

心身ともにボロボロの時期に生まれた長女には本当に申し訳なかったです。

 

夫の協力のもとなんとか長女のお世話と長男の療育をこなし、あっという間に2年が経過しました。

ようやく一山越えてホッと落ち着いた頃、長女の妙な行動に気が付きました。

 

無意識に「喋れないふり」をするようになった長女 

 

家ではしっかりお喋りをする当時2歳の長女。

しかし外出先や夫の実家では何故か徐々に喋らなくなっていったのです。

恥ずかしくて無言になるのではなく、時々赤ちゃんの喃語のような言葉を発するだけで会話をしないのです。

 

心配になり育児書で調べるも、そんなサンプルはありませんでした。

 

ある日近所のお婆さんと外でばったり会って立ち話をしていました。

 

婆「次女ちゃんは相変わらずしっかり者ね~」

私『家ではパパっ子でとても甘えたなんですけどね』

婆「でもお兄ちゃんよりしっかり喋っているし、まるでお姉さんみたいに見えるわ~」

 

長男と長女を交互に見てそう話すお婆さん。

複雑な気持ちではありましたが、このやりとりは他でもよくあることなので「あぁ、いつものあれね」という感じで対応していました。

 

その時、一瞬長女の表情が固まった気がしました。

泣くのを我慢する時と同じような表情だったと思います。

 

帰宅後、長女にどうしたのか聞いてみると

 

「お兄ちゃんはお兄ちゃんなの」

 

と答えたのを覚えています。

恥ずかしながらすぐに理解ができず、その後しばらく様子を見てようやく気が付いたのです。

 

あぁ、この子はこの子なりにお兄ちゃんを守ろうとしていたんだ。

 

当時4歳の長男はたまに思い付いたように単語を話すことはありましたが、意味のある会話なんてできる状態ではありませんでした。

ほとんどの人はそんな長男と長女を悪気なく比べて、人並みに成長している長女を褒めてくれました。

ただ、中には姑のようにあからさまに長男に対して辛く当たる人もいました。

 

だから長女は喋れないふりをするようになったのです。

お兄ちゃんがお兄ちゃんでいられるように。

 

今思えば長女は長男と比べられて褒められても全く嬉しそうではありませんでした。

私はすっかり慣れていたため自然と受け流すスキルを発動していましたが、本音はとても悲しく悔しかったです。

 

「長男だって良いところはたくさんある!お兄ちゃんらしいところもたくさんある!喋れなくても心のある優しい子なの!」

 

本当はそう叫びたかった。

心の中の自分はきっと長女と同じ表情をしていたのだと思います。

 

長女も私も、同じように傷付いていた…。

むしろ、私の代わりに傷付いてくれていたのですよね。

 

その後同じような場面では、あえて長男の良さを目一杯アピールするようにしました。

面倒臭い母親だったと思います。

でもね、長女が凄く嬉しそうにするのです。

 

「〇〇のお兄ちゃん!」

 

と、まるで自慢をするように自分からも喋るようになりました。

 

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中間子かつ障害児のきょうだい児という難しいポジションの長女。

同じ境遇ということで理解しているつもりでいましたが、根本の性格がちょっと違っていたのですよね。

 

長女は私以上にお兄ちゃんのことを大切に思う子だったのです。

 

親として長女が霞むことのないよう別物として接していかなければならないと思っていましたが、彼女は兄妹一緒に喜びを共有したかったようです。

 

今では対等にケンカをするなど「あの頃の面影はどこへ行ったのか」と思うほどですが、それでも長女が一番素直に長男のことを評価しているのだと日々感じます。

もちろん貶す時は容赦なく言ってくれますが(笑)。

 

長女はまだ自分の兄に発達障害があることを知りません。

 

しかし今後知ることになっても、変わらず長男の本質を見て評価できる関係でいられると信じています。

 

私はというと相変わらず長女に甘えてしまうことは多いですが、年々上手くバランスがとれるようになってきていると感じます。

気を遣いすぎるわけでもあてにしすぎるわけでもなく、彼女の長所を伸ばすためにもこうした親子関係も悪くないのでは?と思うようになりました。

 

きょうだい児のあり方について「これが正解」というものがあるのかは正直わかりません。

ただ、わが家のようなきょうだい児も存在することを知ってもらえたら嬉しいです。