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地方ライタートツカマコです。

京都で発達障害児や乳児を含む3人の子どもを育てるフリーライターのトツカマコです。常に全力でお仕事募集中!

わが子の発達障害をカミングアウトした私たち親子の『失ったもの』と『得たもの』。


お子さんに見えない障害や病気がある方は、そのことを周りの人たちにカミングアウトしましたか?

 

私は長男が自閉症とわかってから、集団生活を送る際には幼稚園・習い事先などで事前に保護者の方たちにお話しするようにしてきました。

 

 

実際何が正解かわからないのですよね。

障害の種類や状況によって対応は大きく変わってきます。

その上で今回は、これまで私が子どもの障害をカミングアウトしてきて『失ったもの』と『得たもの』についてお話しします。

今どうするか悩んでいる方たちの参考になればと思います。

 

「○○が苦手です」は非常に難易度が高かった

 

発達障害のわが子を説明する際、よく聞くセリフが

 

「うちの子は○○が苦手です」

 

というもの。

 

 

私も以前はそう説明していた時期がありました。

障害名を言って偏見を持たれるより特性を話した方が伝わりやすいだろう、と。

しかし現実は真逆だったのです。

帰ってきた言葉の多くは

 

「苦手ってことは頑張ったらできるんでしょ?」

「甘やかしすぎじゃない?」

「しつけの仕方が悪いんじゃない?」

 

などでした。

直接言葉で返してくれる方はまだいい方です。

陰で嘲笑ったり噂話のネタにする方も多かったです。

 

「トツカさんてほんと過保護よねー」

 

今思えばこちらの伝え方のせいで余計な誤解を招いていたのだと思います。

確かに「うちの子○○が苦手です」ってなんだよ\(^o^)/ってなりますよね。

元々私に対して嫌悪感がなくても「この人何言ってるの?」と思ってもおかしくないでしょう。

 

それが定型発達の世界なのです。

 

それからは、あえて先に

 

「うちの子は自閉症という障害を持っています」

 

と伝えた後に

 

「その特性から○○が苦手なため、ご理解いただけると助かります」

 

と言うようにしています。

もちろん『だから何しても許してね』ではなく『障害があって普通の子より意思疎通が難しいため何かご迷惑をおかけするようなことがあれば遠慮せず私に言ってください』の方。

 

性質は違いますが食物アレルギーも同じような考え方ができます。

 

 

発達障害の子たちにとって『苦手』という感情は生きるか死ぬかのレベルであることも多いのです。

確かに物理的に不可能ではないかもしれませんが、食物アレルギーの子がアレルギー物質の入った食品を食べることと同様で、その行為が死につながることもあります。

そんなレベルの『苦手』なのです。

 

けれど当事者やその家族でなければ想像もできないことだと私は思います。

だから少しでも相手の方が抵抗なく受け入れられるようにこちらができる工夫が

 

『障害名から伝える』

 

ではないかと感じました。

 

おそらくこの考えが自然に『カミングアウトすること』につながったのだと思います。

 

障害名を伝えたところで周りから改めて偏見を持たれることはありません

 

障害名を伝えることで多くの方が悩む問題。

 

「障害名を伝えることで障害名が一人歩きして偏見を持たれないだろうか…」

 

ということ。

結論を言うと、それはありません。

 

 

そう、プラスにはなってもマイナスになることはあまりないのです。

元々偏見を持っている人に障害名を隠し続けたところで、いつか理解されるようになるわけではありません。

良くも悪くも、大きく変わりません。

実際私も長男もカミングアウトしてこの手の困ったことって特にないのですよね。

 

それまで交流のあった方は変わらず関係は続いて、逆にそれまで交流がなかった方の多くは変わらず交流がありません。

もちろん後者の中には有る事無い事(虐待のせいで自閉症になった、など)周りに言いふらす方もいましたが、そんな方たちは障害など関係なくどのようなことに対してもネガティブなコメントをしているものです。

それで私たち親子の生活が何か変わったかと聞かれると全く変化はありません。

 

ただ、一つ予想外だったことがあります。

 

それは同じ発達障害の子を育てるママたち…その中でも『隠したい』タイプのママたちに理解されず溝が深まったことです。

 

元々考え方が違ったため深く関わる仲ではありませんでしたが、カミングアウトして定型発達の親子と交流するようになったことでより異質なものとして扱われるようになりました。

別に他の方たちにカミングアウトを強要したわけではないのですけどね。

そんなわけで、私も長男も基本的に定型発達の友だちしかいません。

(ネット上ではそうでもないのですけどね!)

 

まさか違う境遇の方たちではなく同じ境遇の方たちとの関係が崩れるとは…。

発達障害コミュニティが、私がカミングアウトして唯一失ったものでした。

 

カミングアウトをしてから良い意味で変化したことも

 

障害のカミングアウトというとどうしてもデメリットのことばかり考えてしまいますよね。

私の場合カミングアウトしたことで、トータルして逆に良いことの方があったように思います。

 

 

恥ずかしながら、私はわが子が自閉症だと知る以前は

 

『自閉症=喋らない障害』

 

だと思っていました。

実際はそんな子もいるし違う子もいるし、ということ。

カミングアウトを機に、それを知らない方に正しい知識を持ってもらうために説明することが増えました。

わざわざ聞いてくださる方は理解しようとして聞いてくださっているわけですし、こちらも少しでも上手く伝わるよう必死に答えるわけです。

 

大人が正しい知識を持つことで、子どもにも障害のある子との関わり方を伝えることができます。

言わなければ伝わらず埋まらなかった温度差も、こちらから壁を破ることで子どもたちが自然に共存する土台作りにつながるのです。

 

リアルでの発達障害コミュニティは失いましたが、私たち親子はそれ以上に広い世界の多くの人たちと出会え、そんな世界で今も生きています。

 

 

学校でもある程度オープンでいる方が普通級での指導がしやすいと聞いたことがあります。

高学年になると、漠然とゆるされている発達障害(グレーも含む)の子を見て

 

「あいつだけ特別扱いされてずるい!」

 

と感じる子が出てきます。

大人でも、理由を聞かされず一人だけ特別に配慮されている状況を快く思うことは難しいですよね?

それと同じなのです。

なぜその子にこの対応をするのか、それを明確に示すことはクラスメートにとっても良い効果があると思いました。

 

まずは否定し合わないことを目指して…

 

現在長男は特別支援学級と普通学級を行き来しています。

特別支援学級=必ず障害があるわけではないので、長男に障害があることを知っている方もいますし知らない方もいます。

子どもたちも同様です。

 

それでも、障害名が足かせになって人付き合いが上手くいかないという経験をしたことがないのですよね。

多くの方は定型発達の子と同様、本人の性格や人間性を見て判断してくれていると私は感じています。

 

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見えない障害をカミングアウトすることが一般的に正解かどうかはわかりません。

しかし、私自身は不正解ではないと思っています。

 

 

障害の有無を問わず、全ての人たちが理解し合って生きることは難しいです。

しかし完全に理解することはできなくても、伝え方一つで否定し合わない関係が築けると思います。

その関係を築いていくことが、将来社会で生きていくことにつながるのではないでしょうか?

 

難しい選択ですが、ご自身とお子さんにとって最良の道が見つかることをトツカは祈っていますよ!